記事登録
2009年02月27日(金) 08時20分

大丸に379億円で売却 そごう本店、8月末に閉鎖中国新聞

 セブン&アイ・ホールディングスは二十六日、業績不振に陥っている傘下のそごう心斎橋本店(大阪市)を、J・フロントリテイリング傘下の大丸に売却する、と発表した。売却額は三百七十九億円。

 そごうは八月末に営業を終えて九月末に大丸に引き渡す。二百人余りの社員は、そごう神戸店(神戸市)など近くの店舗に引き継ぐ。大丸は買収店舗を改装して十一月に営業を再開する。

 大手百貨店が本店を売却するのは異例。セブン&アイが主導し、百貨店事業を立て直す。そごうは、経営破綻はたんした二〇〇〇年に本店をいったん閉鎖。〇五年に再開業したが、創業の地の大阪から姿を消すことになった。

 大阪市内で記者会見したそごうの平田豊ひらた・ゆたか専務は「(閉鎖していた)五年間の空白(による客離れ)が一番大きかった」と述べた。〇七年二月期に四百七十七億円だった売上高は〇八年二月期に四百四十億円となるなど、売り上げは年々減少していた。

 営業損益は一度も黒字にできず、平田専務は「相当額の赤字」と説明した。赤字額は年間数十億円だったとみられる。

 売却の背景として、深刻な消費不振に加え、今後も大阪市内でライバル百貨店の改装や増床、出店が相次ぐため、立て直しは難しいと判断したことを挙げ、平田専務は「(隣接する大丸心斎橋店と)一体経営する方が、お客さんにも、街にとってもいい」と話した。

 大丸は、二十六日発足した「心斎橋新館プロジェクト推進室」で、両店舗の一体運用による営業強化策をまとめる。初年度の売上高は、二店舗合計で千百億円超を見込んでいる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902270076.html