セブン&アイ・ホールディングスは二十六日、業績不振に陥っている傘下のそごう心斎橋本店(大阪市)を、J・フロントリテイリング傘下の大丸に売却する、と発表した。売却額は三百七十九億円。
そごうは八月末に営業を終えて九月末に大丸に引き渡す。二百人余りの社員は、そごう神戸店(神戸市)など近くの店舗に引き継ぐ。大丸は買収店舗を改装して十一月に営業を再開する。
大手百貨店が本店を売却するのは異例。セブン&アイが主導し、百貨店事業を立て直す。そごうは、経営
大阪市内で記者会見したそごうの
営業損益は一度も黒字にできず、平田専務は「相当額の赤字」と説明した。赤字額は年間数十億円だったとみられる。
売却の背景として、深刻な消費不振に加え、今後も大阪市内でライバル百貨店の改装や増床、出店が相次ぐため、立て直しは難しいと判断したことを挙げ、平田専務は「(隣接する大丸心斎橋店と)一体経営する方が、お客さんにも、街にとってもいい」と話した。
大丸は、二十六日発足した「心斎橋新館プロジェクト推進室」で、両店舗の一体運用による営業強化策をまとめる。初年度の売上高は、二店舗合計で千百億円超を見込んでいる。