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2009年02月27日(金) 18時02分

教育機関かたり架空請求「10年前の資格講座の解約料を」読売新聞

 教育関係の公的機関を思わせる団体から、以前に受講しながら中断した資格取得の通信講座について、「契約は続いている」として解約料などを架空請求する電話や書類が、徳島県三好市内の男性(55)にあったことが26日、わかった。

 男性は、支払いを拒否したため実被害は免れたが、県消費者情報センターは、「典型的な資格商法の二次被害」とみており、「県内では初めてのケースだが今後多発する恐れがある。毅然とした態度で断ることが大事」と注意を呼びかけている。

 男性は約10年前、行政書士の国家資格取得を目指して大阪府内の通信講座を受けていが、仕事が多忙になったこともあり、途中であきらめた。受講した分の費用は完済していた。

 昨年末ごろから、知らない男から「講座の契約は継続されている。きちっと解約するため違約金を払う必要がある。代金は70万円だが、今なら48万円にする」と請求する電話が再三かかってきた。今年初めには「1週間以内に支払わなければ、追徴金500万円が請求される」と言われたという。

 男性は「支払うつもりはない。証拠の書類はあるのか」と突っぱねると、教育関係の機構名で、「内部処理手続完了証明書」と「納付金決定通知書」が速達で届いた。同決定通知書は、一般研修3000円、管理部門48万円、調査部門5万円の3種類あり、返信用封筒も同封されていた。

 男性がその後、電話で「警察に届ける」と言うと、電話はかからなくなったという。男性は「講座のことはすっかり忘れていたのに。私の情報がどうして知れたのか気味が悪い」と話している。

 同センターによると、同じ機構名での架空請求は、大阪、熊本、岡山の府県で各1件相談があるといい、「資格取得まで続けなければならない講座はないし、10年前の講座が継続していることも考えられない。怪しいと思ったら断ると同時にセンターに相談を」と話している。

 相談などは県消費者情報センター(088・623・0110)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090227-OYT1T00763.htm