東京都文京区の私立郁文館中学・高校の英語教諭3人が2002年まで複数回、同校を会場に行われた「実用英語技能検定」(英検)の問題を試験実施前に開封したうえ、対策講座の名目で中学生に模範解答を指南していたことがわかった。
堀切一徳前校長(48)=26日付で辞任=も当時、英語教諭として不正に関与しており、27日午前の全校集会で生徒に謝罪した。
英検を運営する「日本英語検定協会」(東京都新宿区)によると、英検2〜5級の試験は10人以上が受験する場合は学校や塾単位で試験会場の指定が受けられるが、これまでに学校からの漏えいは確認されていないという。
同協会では「信用を裏切られて残念。会場指定取り消しなどの処分を検討したい」としている。合格の取り消しなどの対応は今後検討するという。私立学校を監督する都私学部も「早急に学校関係者を呼んで事情を聞き、事実を確認する」としている。
英検の問題は、同協会から会場あてに2日前までに送付され、試験開始まで会場側で管理するルールになっている。同校によると、堀切前校長らは送付された問題を事前に開封。解答となる単語などを書かせる学習プリントを作成して、受験する生徒を指導していた。堀切前校長は「生徒たちに達成感を得させたかった」と話しているという。
同校を経営する学校法人「郁文館夢学園」は、居酒屋チェーン「ワタミ」社長で教育再生会議委員なども務めた渡辺美樹氏(49)が03年3月から理事長に就任している。渡辺氏は26日に報道機関の指摘で不正を知り、同日の理事会で堀切校長の辞任と自らの校長就任を決めた。
同校では28日午後、緊急の保護者会を開いて、渡辺氏が事情を説明する予定。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090227-OYT1T00669.htm