松本市立博物館(長野県松本市丸の内)で開催中の企画展「近代松本100年の証言者」で、全国でも珍しいピストル型消火器が展示されている。
資料整理中に、同博物館の学芸員が偶然見つけた。
発見されたのは、大正末期から戦後にかけて製造された消火器セット。消火剤が入った薬筒2本、薬筒をはめ込む発射装置、薬筒を壁に掛けておく道具が、いずれも未使用のまま見つかった。金属や硬い紙で出来ており、右から「消火王」と商品名が書かれている。価格は1セット25円で、高価な品物だったという。
薬筒を発射装置にはめ込み、きちんと固定させるため発射装置の後部にある引き寄せ金を引いて使う。次に発射装置の引き金を引くと、3〜4メートル先まで薬剤が噴出する仕組みだ。
消火器を製造した中央理化工業(東京都豊島区)によると、同様の消火器について同社が確認しているのは、全国で4点のみという。
発見した学芸員の高山直樹さん(24)は「古い消火器はないかと思って収蔵庫を探していたが、最初は、これほどまでに貴重なものとは思わなかった」と驚いた様子。同博物館では今後、消火器の寄贈経緯などを調べる。
企画展は、3月8日まで。観覧料は大人200円、子ども100円。問い合わせは同博物館(電0263・32・0133)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090227-OYT1T00125.htm