ソニーは二十七日、
国内大手メーカーでは、業績が悪化しているトヨタ自動車も社長交代を決定。トップ交代による人心一新や経営責任の明確化で求心力を高め、業績改善を目指す動きが広がりそうだ。
ソニーは、パソコンなどエレクトロニクス事業の一部とゲーム事業の統合を柱とした大規模な組織再編も四月一日付で実施。将来有望なネットワーク対応型の製品、サービスの競争力を強化するのが狙い。
記者会見した中鉢社長は、退任について「新しい事業体制を構築すべきだ」とし、業績が悪化する中で経営陣の若返りの必要性を強調。ストリンガー会長は、若手の副社長らの成長を理由に「もう一つの官僚機構(社長ポスト)を置く必要はない」と社長兼務の妥当性を説明した。
中鉢社長は二〇〇五年六月に、ストリンガー会長とともに前経営陣から経営を継承。エレクトロニクス事業の再生を掲げ構造改革を断行し、〇八年三月期連結決算で売上高、純利益がともに過去最高を更新した。
だが昨年秋以降、世界経済の悪化や円高の直撃を受け業績は急降下し、〇九年三月期連結営業損益は二千六百億円の赤字に陥る見通し。営業赤字は十四年ぶりで赤字幅は過去最大。純損益は千五百億円の赤字を見込む。
巨額赤字計上に伴い、世界全体で一万六千人以上の人員を削減することや、生産拠点の統廃合などを盛り込んだリストラ策を発表している。