二〇〇九年度予算案と、一一年度にも消費税率を引き上げる方針を付則に盛り込んだ税制改正法案など関連四法案は二十七日夕の衆院本会議で、与党などの賛成多数で可決、衆院を通過した。民主、共産、社民三党は反対、国民新党は欠席した。予算案は憲法の規定で、参院送付後三十日で自然成立するため、年度内成立が確定した。
麻生太郎首相は、大規模な追加経済対策を打ち出すことで政権浮揚を図り、支持率の動向もにらみながら衆院解散の時期を模索する。ただ足元では「新しいリーダーによる新しい自民党が喫緊の課題」(武部勤元自民党幹事長)と総選挙前の退陣論も公然化。政権交代を目指す民主党は、内閣不信任案や問責決議案の提出も視野に揺さぶる構えで、首相は厳しい政権運営を迫られそうだ。
定額給付金などの財源を確保する〇八年度第二次補正予算関連法案は来月四日、参院本会議で否決される見通しだが、与党は衆院本会議で三分の二以上の賛成により再可決し、成立させる方針。小泉純一郎元首相は本会議欠席を表明しており、同調する議員が出るかどうかも焦点となる。
〇九年度予算案は、総額八十八兆五千四百八十億円と当初予算ベースで過去最大。一兆円の「経済緊急対応予備費」などを盛り込んでいる。
衆院の財務金融、総務両委員会は本会議に先立ち、関連四法案を与党の賛成多数で可決した。