近畿中国四国農業研究センター(福山市西深津町)は26日、めん用小麦の「ふくはるか」と二条裸麦「ユメサキボシ」の新品種2種を品種登録出願したと発表した。農家の生産性や食料自給率の向上に期待がかかる。
ふくはるかは、食感がよく収量の多い「羽系94—71」と、製粉しやすい「中系6168」を1997年に交配。そうめんメーカーの依頼を受け、奈良県で現地栽培するなど研究を重ねてきた。さらさらして製粉しやすく、粘りと弾力の元になるグルテンが強いため手延べそうめんに適しているという。普及種に比べ背丈が低く、栽培もしやすい。
ユメサキボシは、病害虫に強い二条皮麦の「ニシノチカラ」を軸に、裸麦と交配を重ねて誕生。病気への抵抗力も高く、収量アップが見込まれている。
【写真説明】<左>製粉した「ふくはるか」(左)。従来品種(右)に比べてだまになりにくい
<右>二条の新品種「ユメサキボシ」(左)。六条のイチバンボシ(右)に比べ、粒が大きい(近畿中国四国農業研究センター提供)