耕作条件の厳しい急傾斜の農地を持つ集落を支援する「中山間地域等直接支払制度」の交付金過払い問題で、三次市は、返還期限の延長や無利子融資制度の創設、市独自の補助制度活用などで、対象集落に過払い分の返還を働きかける方針を示した。
過払いは広島県の不適切な指導が原因で発生。市では県内最多の158集落に計約1億8500万円の過払いがあった。返還を求める説明を始めて約2年になるが、2月20日現在、市内で返還に同意したのは約半数の80集落で金額は計7200万円。78集落の計1億1300万円が同意に至っていない。
市は2009年度末としていた返還期限を、事情があれば14年度末まで延長し、返還資金を借り入れた場合に市が利子負担する融資制度を創設する。直接支払制度の協定廃止集落に再協定を促すほか、草刈りなどに補助金が出る市独自の農村環境保全事業の申請を支援し、返還資金に充ててもらいたい考え。