国民年金と厚生年金の積立金を市場で運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は二十七日、昨年十—十二月の運用結果について、世界不況の影響を受け五兆七千三百九十八億円の赤字となったと発表した。
同法人の前身である特殊法人が市場運用を始めた二〇〇一年度以来、四半期ベースでは最悪の赤字額。〇七年度からの通算では約十四兆五千億円の損失となり、〇六年度末に約百五十兆円あった積立金の一割近くが二年足らずで失われたことになる。
〇八年度の収支は四—十二月で既に八兆六千七百三十八億円のマイナス。今年一月以降も市場は低迷が続いており、〇八年度通期の赤字額は〇七年度の五兆八千四百億円を上回り、最悪を更新するのが確実な情勢。