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2009年02月27日(金) 22時12分

被害者参加、猶予判決に控訴せず 立ち会い初、東京地検東京新聞

 被害者参加制度の適用が公表され、初めて被害者側が立ち会った交通死亡事故の公判で、自動車運転過失致死罪に問われたトラック運転手海野尚康被告(66)を禁固1年6月、執行猶予5年(求刑禁固1年6月)とした東京地裁判決に対し、東京地検は27日、控訴しない方針を固め、被害者側に伝えた。

 関係者によると、地検側は「悪質な事故とはいえず、同種事件での刑との均衡も考えた」などと説明。実刑を求めていた死亡男性=当時(34)=の妻は、地検の結論について連絡を受けた際、特に反応を示さなかったという。

 妻は公判中「被告は反省しておらず、実刑を強く望む」と求刑意見を述べたが、20日の地裁判決は「心情は理解できるが酒気帯びなどの無謀運転と異なり、一瞬の判断ミスが原因だ」として執行猶予を付けた。

 妻は判決後の会見で「執行猶予が付けば無罪と同じだ」と批判。23日にも地検を訪れ、控訴するよう求めていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022701001014.html