テレビやラジオで使われる音楽の著作権管理事業で、使用料を包括徴収する仕組みが新規参入を妨げているとして、公正取引委員会は27日、独禁法違反(私的独占)で日本音楽著作権協会(JASRAC、東京)に排除措置命令を出した。
公取委は命令で、曲の使用実績を反映する徴収法に改め、公取委の承認を受けるよう求めたが、JASRACは不服とし、審判請求する方針。
公取委によると、JASRACは、NHKや民放などと、管理する曲の使用実績に関係なく放送事業収入の一定率(総合編成チャンネルで1・5%)を徴収する「包括的利用許諾契約」を締結。
包括契約で700万を超す曲が使い放題となる放送局は、料金の追加負担を伴う新規事業者の曲を敬遠。公取委は、現行の包括契約の方式では、新規参入の事業者が排除され、実質的な競争を制限していると認定した。
放送局向けの管理事業を営む事業者は、JASRACと2006年10月に参入したイーライセンス(東京)のみ。
(共同)