大阪矯正管区は27日記者会見し、受刑者の暴力団組員に職員の住所を漏らした罪で起訴された大阪刑務所の副看守長尾添敏男被告(44)が、この受刑者に現金395万円を渡したり、うその電報を送って懲罰を停止させたりしていたと明らかにした。
大阪刑務所は計10項目の違反行為があったとして、尾添被告を同日、懲戒免職にした。上司だった統括矯正処遇官は減給100分の20(3カ月)の懲戒処分、所長、前所長ら6人は訓告や厳重注意など。
矯正管区によると、尾添被告は昨年4月、暴力団組員工藤康仁被告(35)=脅迫罪など=の房の責任者となり、ほかの受刑者への伝言仲介や、携帯電話を貸すなどの便宜を図るようになった。
さらに5、6月の2回、工藤被告の親族に現金書留を郵送する方法で、同被告に計395万円を提供。尾添被告は調査に「貸した金で、出所後に返ってくるものだ」と説明、脅迫されたのではないかとの見方を否定したという。
6月下旬には、工藤被告の祖母が死亡したとのうその電報を発信。被告から服喪の願い出を受けて懲罰の執行を3日間停止させた。