島根県の8つの県立高校が、保護者向けに「授業料を滞納している生徒に卒業証書を渡さない」と通告していたことが27日、分かった。県教育委員会は「卒業証書を人質に取ったと思われても仕方なく不適切」とし、各校を厳重注意した。
県教委などによると、安来高校(安来市)は、毎月約10人の滞納があり、ことし1月に3年生の約150人全員に「期限までに全額納入がない場合、卒業証書をお渡しできません」との文書を配布。期限までに納入があり3月1日の卒業式では全員に卒業証書を授与する。昨年1月にも当時の3年生に同様の文書を配布していたという。
ほか7校は、2004年度以降、支払い能力があるのに滞納していた保護者計65人に、口頭や文書で通告。うち1校では06年度、1人に卒業式で証書を渡さず、後日に手渡したという。