障害者向け郵便料金割引制度を悪用したとして、大阪地検特捜部に逮捕された広告代理店「新生企業」(現・伸正)の元取締役阿部徹容疑者(55)が、障害者団体から贈られた感謝状の写真を小道具に使って、ダイレクトメール(DM)発送を勧誘していたことが27日、分かった。
阿部容疑者は「障害者団体にも歓迎される」と説得したといい、特捜部は、不正を隠すとともに、福祉への貢献を強調して顧客を獲得していたとみて調べる。
九州の印刷会社によると、3、4年前、営業に来た阿部容疑者は「障害者団体向けの割引制度を使ってDMを低料金で発送できる」と説明。その際、団体からの感謝状や礼状、新生企業が寄付した車いすの写真を提示した。
印刷会社は、社会福祉に貢献していることを顧客にアピールできることや、新生企業が扱っていた刊行物が郵便事業会社から承認を得ていることから、契約を結んだという。