松本サリン事件の被害者河野義行さん(59)が27日、オウム真理教事件で死刑判決を言い渡され、最高裁に係属中の元幹部井上嘉浩被告(39)と東京拘置所内で面会した。河野さんが拘置中の教団元幹部と面会したのは初めて。
河野さんによると、面会は同日午前に約25分間。面会にあたり、井上被告は河野さんに向かってまず深々と頭を下げた。面会の間は終始落ち着いた様子で、事件について「とても反省しています」と話したという。
面会後、河野さんは「事件のことがなければ好青年だ」と井上被告の印象を述べ「井上被告は『一日一日を大事にして生きていきたい』と話していた。現時点では推定無罪なので、主張があるなら訴えていってほしい」と話した。
井上被告は1審の無期懲役が2審で破棄され、死刑を言い渡された。現在最高裁に係属中。
この日の面会には、刑期を終え出所した教団元幹部の男性(48)=山口県在住=も同行した。