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2009年02月27日(金) 14時43分

愛知・豊橋で鳥インフルエンザ 中部で初確認東京新聞

 愛知県は27日、同県豊橋市南大清水町のウズラ飼育場のウズラから高病原性鳥インフルエンザのH7亜型ウイルスが検出されたと発表した。ウズラに鳥インフルエンザ感染が確認されたのは国内初。中部地方で鳥インフルエンザへの感染が見つかったのは初めて。

 農林水産省によると、H7亜型ウイルスの検出は国内では1925年以来。

 神田真秋知事は27日に県庁内で会見し、「卵や肉を食べて(ウイルスが)人に感染することはない」と、冷静な対応を呼び掛けた。

 この飼育場では、ウズラ32万羽を採卵用に飼育。同ウイルスは弱毒性で感染力が弱いとみられ、ウズラの健康状態は良好という。これまで鳥インフルエンザで死んだウズラはいないが、32万羽すべてを殺処分にする。

 家畜伝染病予防法などに基づき、農水省と県は農場への立ち入りを制限するとともに、飼育場の消毒を実施。半径10キロ圏内で飼育されている家禽(かきん)類の移動を禁止した。ウズラ農家18戸を含め、鶏とアイガモを飼育する農家65戸の計456万羽が該当し、今後、立ち入り検査をしていく。

 また10キロ圏内にある食鳥処理場や卵などの出荷施設21カ所を閉鎖した。感染ルートは分かっておらず、農水省の調査チームが現地入りして調べる。

 愛知県はこの日、鳥インフルエンザ緊急対策会議を開き、今後の対応を協議。神田知事は28日に現地に入る。

 愛知県は今回、国の指示を受けて鳥インフルエンザ対策を強化するため、ウズラ農家3戸でモニタリング調査を実施。25日に1戸のウズラ2羽から陽性反応が出た。動物衛生研究所(茨城県つくば市)でウイルス分離検査し、27日午前にH7亜型と特定された。

 豊橋市はウズラ卵の一大生産地で、愛知県は全国生産量の7割を占める。

◆農水省が防疫対策強化を通知

 愛知県のウズラ飼育場で鳥インフルエンザが発生したのを受け、農林水産省は27日、全国の自治体に対し、家禽(かきん)類への防疫対策を強化するよう消費・安全局長名で通知を出した。また、現地に専門家を派遣した。

 <高病原性鳥インフルエンザ> 鶏などの鳥類に高い致死率をもたらすとされ、家畜伝染病予防法では、ウイルス表面のタンパク質がH5型とH7型のものが高病原性とされている。国内では、2004年にH5N1型が流行し山口県、京都府などで大量の鶏が処分され、05年にはH5N2型が茨城県などで流行。07年にはH5N1型が宮崎県、岡山県の養鶏場などで確認された。昨年春には秋田県や北海道などのハクチョウからH5N1型が検出されている。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022790114236.html