東京都豊島区で昨年８月、ゲリラ豪雨による増水で下水道管の工事をしていた作業員５人が流され死亡した事故で、警視庁捜査１課などは２７日、業務上過失致死の疑いで「竹中土木」（江東区）の現場責任者（５８）と、現場で気象の監視を担当していた同社社員（３３）を書類送検した。
捜査１課は、事故原因は天候の急変による急激な増水とする一方、責任者らが早めに避難指示をしていれば事故を防ぐことができたとしている。
書類送検の容疑は昨年８月５日、豊島区雑司が谷の工事現場で、雨が降り始めたのにすぐに工事を中止せず作業員５人を水死させた疑い。
捜査１課によると、当日は午前１１時３５分に大雨・雷・洪水注意報が発令されていた。竹中土木が東京都に提出した安全施工計画書では、注意報や警報を伴う雨の場合、作業をすみやかに中止すると明記していた。
現場責任者は「計画書を厳守しなかった。早く避難を指示していれば、人命は守れた」と話しているという。
工事は東京都の発注で、死亡した５人は竹中土木の下請け作業員だった。竹中土木は大手ゼネコン「竹中工務店」のグループ会社。竹中土木は「厳粛に受け止めています」とコメントした。
一方、池袋労働基準監督署は２７日、労働安全衛生法違反の疑いで、竹中土木と現場責任者を書類送検した。