北海道滝川市の市立小学校で2005年、いじめを苦に自殺した6年の松木友音さん=当時(12)=の母敬子さん(40)が、北海道と滝川市に計約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、札幌地裁(中山幾次郎裁判長)で開かれ、道と市は請求棄却を求めた。
道と市は答弁書で、いじめが自殺の原因だったことを認め、市は教師の指導が不十分だったことも認めた。しかし「自殺をほのめかす言動は児童間で行われた」などとして、いずれも教師らに自殺を予見する可能性はなかったと主張した。
意見陳述した敬子さんは「なぜ学校はいじめに対応してくれなかったのか。同じような子を出さないため事実を明らかにしてほしい」と訴えた。
訴状によると、友音さんは05年9月、教室で首をつって自殺。学校は7月、担任が友音さんから相談を受けるなど、いじめを認識していたのに防止しなかった。また、市はいじめが自殺の原因とうかがわせる遺書があったのに調査を怠り、1年間いじめがあった事実を認めなかった。