２０００年に中国人留学生を、昨年２月に大阪・梅田の商業施設「Ｄ・Ｄハウス」で会社員を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた無職加賀山領治被告（５９）に、大阪地裁は２７日、求刑通り死刑の判決を言い渡した。
細井正弘裁判長は判決理由で「犯行は残虐で殺意は明確。何の落ち度もない若者２人の命を奪い去った」と指摘。「死刑を回避する理由は見当たらない」と述べた。
検察側は論告で「犯行は残虐非道で極刑をもって臨む以外にない」と主張。加賀山被告は刺したことは認めたが「殺意はなかった」とし、弁護側は「殺してまで金を奪うつもりはなかった。反省もしている」と死刑回避を求めた。
判決によると、加賀山被告は２０００年７月、大阪市中央区の路上で中国人留学生韓頴さん＝当時（２４）＝のバッグを奪い、ナイフで腹と胸を刺して殺害。助けようとした男性に軽傷を負わせた。さらに昨年２月、Ｄ・Ｄハウスのトイレで神戸市の会社員森永彰さん＝当時（３０）＝に金を要求したが断られ、胸や腕を刺して殺害した。