政府は27日、75歳以上の高齢ドライバーに罰則付きで義務付けた「もみじマーク」表示を、70−74歳と同様に罰則のない努力義務に戻す道交法改正案を閣議決定した。今国会に提出、成立すれば公布と同時に施行する。
改正案は高速道路での「あおり行為」の罰則引き上げや、病院などの周辺道路に高齢者ら専用の駐車区間を設けることも盛り込み、公布6カ月−1年での施行を目指す。
もみじマークの表示義務と罰則は「当分の間、適用しない」との付則を設けることで“凍結”。高速や自動車専用道での「あおり行為」は、現行の「5万円以下の罰金」から「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」に引き上げる。
また、病院や官公庁などの周辺道路に、70歳以上の高齢者のほか障害者や妊婦専用の駐車区間の設置を規定。都道府県公安委員会に事前申請して公布を受けた標章を掲示すれば駐車を認める。
75歳以上のもみじマーク表示は昨年6月に義務化され、違反者に反則金4000円などが科されることになったが、国会などで「高齢者いじめだ」との批判が続出。警察庁は表示率が約75%に達したことなどを理由に罰則撤回を検討していた。