人類の祖先は約150万年前から、現代人と同じような歩き方をしていたことが、アフリカで見つかった足跡の化石の分析で分かったと、英国や米国などの研究チームが、27日付の米科学誌サイエンスに発表した。
現代人に近い歩き方を示す、最も古い証拠だという。
足跡の化石は、ケニア北部の約150万年前の地層にあり、最大で7歩分が1つのつながりになっていると推定された。
レーザーを使って足跡のでこぼこを詳細に計測したところ、現代人が歩くのと同じように、かかとから親指のつけ根へと体重が移動していることが分かった。
形状をみると、足の親指が現代人と同様、他の指と同じ向きについており、物をつかみやすいよう親指だけ離れている類人猿の足とは異なっていた。足指が短いことや、甲の形状も現代人と共通だった。
研究チームはこれらの特徴から、足跡は原人ホモエレクトスのものではないかと推定している。
人類祖先の足跡としては、タンザニアで1978年に見つかった約375万年前の化石もあるが、この足跡の形状はより類人猿に近かった。