政府、与党は二十六日、二〇〇九年度予算案成立後に策定する追加経済対策で、低迷する個人消費の拡大を図るため、減税など税制措置を含む検討に着手した。自民党内には相続税を非課税にする無利子国債の発行や、贈与税の軽減で若い世代へ金融資産を移す案が浮上。このほか販売低迷に悩む自動車業界が要望している低公害車への減税拡大や、一時的な所得税減税なども議論に上る可能性がある。
〇九年度税制改正法案には住宅、自動車などの分野で地方税を含め約一兆一千億円の減税を盛り込んだが、景気の一段の悪化を受け、追加策を求める声が出ており、個人消費を喚起する方策を検討する。
与謝野氏は共同通信などとのインタビューでこうした税制措置について「予算、関連法案が通った段階でそういうことを急いで考えなければいけない」と語った。
国際的には、英国が日本の消費税に当たる付加価値税を一時的に引き下げたが、効果は限定的とされる。与謝野氏は国会答弁などで、消費税の減税は法案成立まで買い控えを招くとして、否定的な考えを示していた。
政府、与党は例年、年末にかけて翌年度の税制改正をまとめるのが通例。ただ日本の金融不安が深刻化した一九九八年四月に所得税などの定額減税を二兆円上積みして、四兆円としたケースがある。