新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした融資詐欺事件で、警視庁は25日、同行上野出張所(閉鎖)の元行員小川康之(53)、ブローカー芝田明(42)ら4容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。
小川容疑者は2005年末に退職するまでの半年間に、芝田容疑者の紹介で15件(約3億9000万円)の融資を実行。見返りに台東区内の高級料亭や風俗店で10回前後の接待を受け、中古の外車を譲り受けたほか、現金を受け取っていた疑いがあることが判明。融資の約7割が焦げ付いており、同庁で経緯を詳しく調べる。
ほかに逮捕されたのは、世田谷区の広告関連会社「エムアンドシーコーポレーション」元社長の茂田善弘(52)、港区のインターネット関連会社「ベンチャーリンク・タクト」経営の保倉民章(55)両容疑者。発表によると、4人は05年8月、エム社の売上高を3〜9倍に改ざんした決算書を同出張所に提出し、5000万円の融資を引き出した疑い。このうち約4400万円が焦げ付いた。
融資金のうち、芝田容疑者が1000万円を受け取り、保倉容疑者も事業資金などの名目で計2800万円を受領。残りは茂田容疑者が生活費などに充てたという。
小川容疑者は旧平和相互銀行勤務などを経て05年2月に入行。退職までに実行した計69件(約11億8000万円)の融資のうち、半分以上が焦げ付いているという。茂田容疑者は、保倉容疑者に紹介された芝田容疑者を介して小川容疑者と知り合ったとされる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090226-OYT1T00139.htm?from=main3