兵庫県加古川市で2004年8月、2家族の7人を殺害したなどとして、殺人罪などに問われた無職藤城康孝被告(52)の論告求刑が26日、神戸地裁(岡田信裁判長)であった。
検察側は藤城被告に「完全責任能力があった」と主張、「7人の尊い命を奪った凶悪な大量殺人。刑事責任はこの上なく重く、生命によって償わせるしかない」と述べ、死刑を求刑した。
公判では精神鑑定が2回行われ、弁護側は「妄想性障害で、犯行時の責任能力は限定的だった」、検察側は「情緒不安定性の人格障害」などとする鑑定結果を、それぞれ提出していた。
論告で、検察側は「我が国では、人格障害には原則、完全責任能力が認められる。『親族や隣人に長年、見下されてきた怒りが爆発した』という動機も納得でき、犯行前後の行動も合理的」などと主張した。
起訴状によると、藤城被告は04年8月2日未明、自宅隣に住んでいたおばの藤城とし子さん(当時80歳)宅などに侵入し、金づちで殴打したり、包丁で刺したりするなどして、8人を死傷させ、自宅に火をつけて全焼させたとされる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090226-OYT1T00928.htm