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2009年02月26日(木) 16時04分

県教委がネット監視チーム、石川が全国初の取り組み読売新聞

 携帯電話を引き金にした少年事件やインターネットいじめが深刻化する中、石川県教委は4月から、ネット上のサイトや書き込みを監視する対策チームを発足させる。

 「全国初の試み」(県教委)で、教員が専門家と連携してネットの実態調査やパトロールを行い、学校に情報を提供し、児童・生徒をネットトラブルから守る。

 パソコンや携帯を使い、インターネット上の検索サイトで探すと、県内の中学、高校生が書いたと思われる自己紹介やコメントがすぐに見つかる。匿名性が高いと言われるネットだが、「プロフ(自己紹介サイト)は自分を知ってもらうことが開設の目的。大半は実名を記載している」(県教委学校指導課)という。

 県教委が昨年10月に実施した全校一斉アンケートの結果、携帯電話を持っている生徒のうち、プロフやブログ(日記サイト)などの自分のサイトの所有者は中学で13・8%、高校(全日)では31・2%だった。特に、高校(全日)女子は46・4%と半数近くが開設しており、個人サイトが普及している実態が明らかになった。

 さらに、携帯を持つ高校生の3割以上が、「プロフやブログなどに携帯で書き込みをしたことがある」と回答。ネット上でいじめにあったことがあると答えた生徒も、中学で307人(4・4%)、高校(全日)では1659人(5・9%)に上った。昨年9月には携帯サイトへの書き込みが原因で、鳳珠郡の高校1年男子が同級生をバットで殴る事件も起きている。

 県教委は、金沢市高尾町の県教育センターにパソコンと携帯を2台ずつ設置。教員8人が、県警のサイバー犯罪対策室と少年課、弁護士会、携帯電話会社の担当者4人と協力し、定期的にネットを巡回して監視する。

 得られた有害サイト情報やネット被害の情報は、学校に提供し、生徒や保護者への指導・啓発に活用する。ブログやプロフのほか、「学校裏サイト」と呼ばれる非公式サイトや「出会い系サイト」も巡回対象とし、ネット接続業者への削除要請や警察への捜査依頼も行う。

 県教委によると、ネットパトロールを民間委託している自治体はあるが、県が独自に組織を作るのは全国初。県の新年度予算案には150万円を計上している。同課の土室完担当課長は「膨大なネット情報のすべてを監視できる訳ではないが、抑止につながれば」と話している。(藤元陽)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090225-OYT1T01179.htm