大量破壊兵器に転用可能な磁気測定装置をミャンマーへ不正輸出しようとした疑いがあるとして、神奈川県警は26日、外為法違反(無許可輸出未遂)容疑で北朝鮮系の貿易商社「東興貿易」(東京都新宿区)など数か所の捜索を始めた。
県警はミャンマーを経由して北朝鮮に不正輸出を図ったとみて、裏付けを急いでいる。ミャンマー経由のルートが浮上したのは初めてという。
捜査関係者によると、同社は昨年、経済産業省の許可を受けずに、核兵器やミサイルなどに転用可能な製品の輸出を禁じる「キャッチオール規制」の対象となる磁気測定装置をミャンマーに輸出しようとした疑いが持たれている。経産省から輸出申請の手続きが必要だと通告され輸出を止めたが、今年に入って別の東南アジアの国を迂回(うかい)してミャンマーに輸出しようとしたという。
北朝鮮とミャンマーは2007年4月に国交が回復され、協力関係が強いとされている。
北朝鮮では、07年の国際原子力機関(IAEA)の査察で、日本製の真空ポンプがウラン濃縮装置に転用されていたことも発覚している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090226-OYT1T00605.htm