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2009年02月26日(木) 22時44分

荒崎水害訴訟、敗訴に原告団落胆 「不当判決だ」法廷に怒号東京新聞

 「不当判決だ」−。岐阜県大垣市荒崎地区の浸水被害をめぐり、岐阜地裁が二十六日出した住民の全面敗訴の判決。野村高弘裁判長が判決を言い渡すと、法廷に怒号が飛んだ。

 「長雨のたびに心配で寝られない」「今でも雨が降ると家がにおう」。水害に苦しめられてきた住民たち。「洗堰(あらぜき)は何度も越流しているのに、なぜ岐阜県は市街化区域に指定したのか」の疑問は消えない。「浸水対策をしてほしい」と繰り返し訴えてきたが一九八四年の大東水害訴訟最高裁判決以降続く、住民不利の流れを断ち切ることはできなかった。

 原告の会社員男性(57)は「歴史的には、この裁判を勝つのは難しいと思う」と判決前に話していたが、判決を聞きぼうぜんとした表情で前を見つめた。

 「負ける要素はない」と勝訴に自信を見せていた原告団長安保千春さん(68)は判決に納得できない様子。「住民の生活面を全く見ていない判決だ」と話した。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022690202945.html