汚染された血液製剤でC型肝炎になったとして、患者らが国などに損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟で、被告の田辺三菱製薬(大阪)が「(血液製剤をのり状に加工した)『フィブリン糊』の投与と感染との間には因果関係がない」とする準備書面を東京地裁に提出していたことが26日、分かった。
薬害肝炎訴訟では昨年、原告側と国や製薬会社が和解に向けた合意書を締結。血液製剤の投与と感染との因果関係が認められれば救済法の対象となるが、外科手術時の止血などに「糊」を使われた原告約160人については、使用方法の違いなどから和解手続きが停滞、弁護団が早期解決を求めていた。
田辺三菱の姿勢に対し、弁護団は「和解の可否を最終的に判断するのは国で、数人だが『糊』の患者での和解例もある」と批判している。
田辺三菱側の書面は23日付で(1)「糊」として使用する場合は製剤の量が静脈注射と比べて約半分で、血管内に入る量が極めて少ない(2)「糊」は輸血併用例が多く、感染は輸血によるものだ、などと主張している。