記事登録
2009年02月26日(木) 19時29分

発明対価、2審は7千万円 キヤノンに支払い命じる東京新聞

 キヤノン(東京)の元社員箕浦一雄さん(63)が、レーザープリンターの画質の乱れを防ぐ技術に関する発明対価の一部として10億円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は26日、約7000万円を支払うよう同社に命じた。1審の認定額3300万円から増額した。

 中野哲弘裁判長は、キヤノンが得た利益を約10億7000万円と見なし、箕浦さんの貢献度を1審の3%から6%に拡大して対価を約5600万円と判断。遅延損害金も加えて支払額を算出した。

 判決によると、箕浦さんは、レーザーの拡散反射で意図しない線が映る「ゴースト像」を取り除くことに成功した。

 キヤノンは社内規定により、箕浦さんに約87万円を支払っていた。

 箕浦さんは「必ずしも満足できる額ではないが、同じ境遇の科学者に勇気と希望を与えたのではないか」と話している。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022601001043.html