大相撲時津風部屋の力士だった斉藤俊(たかし)さん=当時(17)、しこ名・時太山(ときたいざん)=がけいこ場で死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた元時津風親方山本順一被告(58)の第5回公判が26日、名古屋地裁であり、兄弟子の木村正和元力士(25)=懲役3年執行猶予5年が確定=が「弟子にやらせたことを正直に話してほしい」と述べた。
木村元力士は25日に続いて、証人として出廷。2007年6月25、26の両日に行われた暴行やぶつかりげいこなどの状況について証言した。
最後に「一言いいですか。親方にですけど」と発言を求め、「斉藤さんや遺族の方に申し訳ないと思っているなら、自分のやったこと、弟子にやらせたことを正直に話してほしいと思います」と述べた。山本被告は目を閉じたまま聞いていた。
木村元力士は「親方は逆らえない存在。ビール瓶で斉藤さんを殴った後に『おまえらも教えてやれ。柱に縛り付けておけ』と言われ、殴れという指示と思った」と証言。遺族と斉藤さんの遺影に向かって一礼して退廷した。
(中日新聞)