指定暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件で、法外な高利を暴力的に取り立てられたとして、全国の被害者が“ヤミ金の帝王”と呼ばれた梶山進受刑者(59)に支払った元利全額と慰謝料などの賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)は26日、同受刑者の上告を退ける決定をした。
元本を含めて計約2億8400万円を約160人に支払うよう命じた東京高裁判決が確定した。梶山受刑者は「一部原告への貸し付けは違法でない」と上告していた。
高裁判決によると、原告は梶山受刑者が統括していたヤミ金組織から、出資法の上限を大幅に超える高利で金を借りた。
ヤミ金被害者の損害額に元本を含めるかどうかは司法判断が分かれていたが、最高裁は昨年6月、愛媛県の原告が梶山受刑者を相手に起こした訴訟の判決で、元本を含め全額を賠償すべきだと判断した。
この訴訟は高松高裁へ差し戻され、同高裁が2400万円の賠償を命じ、確定した。