滋賀県警から嫌疑もなしに覚せい剤取締法違反の疑いで家宅捜索されたとして、同県の男性2人が県と国に計180万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大津地裁は26日、「犯罪の嫌疑があると判断した合理的理由は認められない」として県に計22万円の賠償を命じた。
石原稚也裁判長は判決理由で、県警は主に情報提供者の供述から令状請求をしたと指摘。その上で「県は捜査の密行性を理由に、情報提供者の供述を信用した根拠を明らかにしていない」として令状請求の違法性を認めた。
一方、裁判官の令状発付について「違法とする特別な事情はない」として国への請求は退けた。
判決によると、2人は2006年5月、覚せい剤を所持した疑いがあるとして、県警長浜署から自宅や経営していた飲食店などの捜索を受けた。しかし覚せい剤に関する証拠は見つからず、尿検査も陰性だった。
滋賀県警監察官室は「主張が認められず極めて遺憾。控訴する方向で検討している」と話した。