西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載事件で、保有していた同社株が下落して損害を受けたとして、個人投資家ら約240人が西武鉄道やプリンスホテル(旧コクドを合併)、堤義明元コクド会長らに計約4億3000万円余の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、計約7900万円を175人に支払うよう命じた。
1審の賠償額計約2億3000万円を変更、減額した。
宗宮英俊裁判長は1審同様に、虚偽記載により株取得者に損害が出れば、会社や取締役は賠償責任を負うと判断した。
その上で損害額について、1審は虚偽記載の公表直前の株価1081円と売却時の差額としたが、宗宮裁判長は「売却するか否かは株主が決断すべきで、実際に7割余の株主が保有し続けた。粉飾決算と異なり、西武の財務状況や企業価値への影響は少なく、差額を損害とするのは不相当」と指摘。1株当たりの損失を160円と算出した。
現在も株(企業再編に伴い西武ホールディングス株を割り当て)を所有する投資家の請求は、1審に続いて棄却した。