兵庫県加古川市で2004年、おばら7人を刺殺したとして、殺人と殺人未遂、放火の罪に問われた同市の無職藤城康孝被告(52)の公判が26日、神戸地裁(岡田信裁判長)であり、検察側は「重大悪質な、まれに見る大量殺人事件だ」と死刑を求刑した。
弁護側はこれまでの公判で「事件当時、心神喪失か心神耗弱状態だった」と主張。4月9日に最終弁論があり、結審する予定。
論告で検察側は「周囲から見下されていると憤まんを募らせ、殺害で一気に晴らそうとした」と指摘。「凶器を準備するなど計画的で残虐な犯行」と述べ、精神鑑定の結果などから責任能力が完全に認められるべきだと主張した。
論告によると、藤城被告は04年8月2日未明、自宅隣のおば藤城とし子さん=当時(80)=宅などに侵入、大型金づちで殴打したり、包丁で胸や顔面を刺したりして8人を殺傷。自宅にガソリンをまき放火、全焼させたとされる。