【ローマ26日共同】密漁など違法操業を行う漁船の国際的取り締まりを図るため、国連食糧農業機関(FAO、本部ローマ)は26日までに、世界の漁船の個別データを一括して登録、加盟国が随意に照会できるようにする初の「グローバル・レコードシステム」の構築を決めた。来月2日からローマで始まる閣僚級水産委員会で具体化策を協議する。
国際的な船舶登録については、商船は国際海事機関(IMO)が行っているが、漁船は所有者の属する国が各自行っており、統一データベースがなかった。
このため、違法操業の疑いのある外国漁船を検査しても、その漁船の違反歴などについて所有者の国に問い合わせる必要があったほか、所有者が代われば登録が更新されることが多く、一貫した追跡や国際的取り締まりに支障が生じていた。
同システムでは、加盟国から漁船の所有者、種類、トン数、違反歴などの提供を受け、FAOのデータベースに登録することが検討されている。FAOによると世界の漁船は小型を含めると約400万隻に達することから、当面は公海で操業する大型漁船だけを対象とする見通し。