14億9千万円に上る愛知県の不正経理問題で、県は26日、架空発注を伴う悪質な物品購入などで県に与えた損害額を2億4800万円と算定し、神田真秋知事ら全職員と退職者で自主的に返還することを決めた。知事ら特別職7人は給与減額処分(10分の1、1カ月)とし、一般職の処分者は課長級以上の戒告49人など781人に上った。
同日午後に公表する2008年度まで8年間の全庁調査報告書に盛り込んだ。職員や退職者に支払いを呼び掛け、7月末までに県への返還を目指す。県は近く、知事給与減額の条例案を県議会2月定例会に提案する。
不正経理に伴う損害額はまず、業者に公金をプールする「預け金」など架空発注を伴う3手口の物品購入について算定。資料の乏しい01、02年度分は03年度分と同額と推計して不正総額を5億1千万円とはじき出し、その15%、7600万円は割高購入など問題のある損害額と判断した。
不正流用したため国に返還する補助金の加算金など利息1億4700万円と、コピー代や郵便代、職員の時間外勤務手当など全庁調査に要した経費3400万円を加えた上で、業者がプールしていた900万円は差し引いた。
職員の返還額は知事240万円、副知事120万円、教育長ら特別職50万円、部長級12万円などとした。退職者には返還額全体の1割程度の負担を求めていく。
処分について、県は不正処理に直接関与した職員のほか、管理、監査、監察部門にいた幹部を対象とした。戒告以外では、文書訓戒439人、口頭訓戒143人、所属長厳重注意150人で、いずれも27日付とする。
(中日新聞)