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2009年02月26日(木) 13時51分

品川区 目黒区 目黒川浄化タッグ 上下流で悪臭除去東京新聞

 東京都品川、目黒区をまたいで流れる目黒川の浄化に両区が力を合わせることになった。川沿いは桜の名所として知られ、目黒のさんま祭りなどイベントも多いのに水質汚染による悪臭が味わいを損なってきた。それぞれの区が別々に対応していては浄化が進まなかったことから協力が決まった。複数の区が連携して河川浄化に当たるのは二十三区では珍しい取り組みだ。 (松村裕子)

 下流の品川区が昨年から実験していた浄化のための高濃度酸素の投入を上流の目黒区でも行う内容。両区が新年度予算案に関係費を計上した。

 目黒川は東京都三鷹市を源流に、世田谷区から目黒区を通り品川区で東京湾に注ぐ。目黒、品川区境付近で水がよどみ、桜の開花シーズンの春から、さんま祭りの秋にかけ白濁や悪臭が発生している。

 品川区は昨夏から区境付近の同区西五反田の亀の甲橋下流で汚染を抑制するための実験を開始。川水を吸い込み一リットル中四十ミリグラムの高濃度酸素を溶かして放流する装置二台を、二十四時間運転している。酸素は白濁や悪臭の原因となる硫化水素の発生を抑える。

 ほとんど酸素のなかった川中で酸素が確認されており、硫化水素の発生抑制の効果を調査中だ。今年三月で終了予定だったが、二〇〇九年度も続ける。

 これまでの調査で確認されたのは下流だけで取り組んでも効果は限られることだ。このため、品川区が上流でも取り組めば効果的とのシミュレーションを示して目黒区に連携を持ち掛けた。

 これまでヘドロのしゅんせつで対応してきた目黒区も、悪臭の根源である汚染の浄化のため連携に応じ、下目黒の太鼓橋下流で、品川区と同規模の装置で実験を開始する。

 両区は効果を確認できれば、この手法の本格的な導入を目指し都に財政的、技術的な支援を求める。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022690135130.html