大手百貨店高島屋に架空経費を請求し、約1000万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は26日までに、詐欺の疑いで同社通信販売事業本部(東京都)の元次長井上純容疑者(46)=埼玉県蕨市錦町=を逮捕した。
逮捕容疑は2006年1月から同10月にかけて10数回にわたり、取引先の広告会社の社長に作成させた架空の請求書を上司に提出、計約1000万円を同社の口座に振り込ませ、だまし取った疑い。
捜査2課によると、井上容疑者は取引先4社に「コピーライターに仕事を発注しているが経費として計上できない。架空の請求書を作ってほしい」と依頼。ライター名義の架空口座を作り、取引先に支払われた金を振り込ませていた。借金の返済や交際女性の生活費にあてていたという。
同課は、05年から約1年間で逮捕容疑を含め総額約3700万円をだまし取ったとみている。
広告会社の社長が、高島屋の別の社員に問い合わせて発覚。同社は井上容疑者を07年6月に懲戒解雇し、同9月、警視庁に告訴していた。