大量破壊兵器に転用可能な機械部品を国の許可を得ずに東南アジア経由で北朝鮮に不正輸出しようとした疑いがあるとして、神奈川県警は26日、外為法違反容疑で東京都新宿区の貿易商社「東興貿易」など数カ所を家宅捜索した。
調べでは、東興貿易は昨年から今年にかけ、ミサイルなど大量破壊兵器に転用される恐れのある磁気測定装置を、経済産業省の許可を得ずに東南アジア経由で北朝鮮に不正輸出しようとした疑い。
事前に輸出手続きの不備が発覚し、輸出は未然に防がれた。
経済産業省は軍事転用や核開発技術転用が可能な民生品や技術について厳格な輸出の審査基準を設けているが、第三国を経由して、中東や北朝鮮に不正輸出されるケースは後を絶たない。
国際原子力機関(IAEA)が2007年の北朝鮮の核関連施設への査察で日本製の真空ポンプを見つけた事件では、神奈川県警が08年、台湾の業者経由で迂回輸出した疑いで、東京都内の輸出入代行業者を書類送検した。