延命治療の中止手続きを明記した日本救急医学会の指針に基づき、昨年、60代男性の人工心肺装置を停止した福岡大病院救命救急センターの大田大樹医師が26日、大阪市で開かれた日本集中治療医学会で経緯を発表し、「法的な問題が未解決で患者が事前に意思を示していることも少ない」と終末期医療をめぐる問題点を指摘した。
大田医師は延命治療の中止に際して、医療チームによる対応などを求める救急医学会の指針を順守したことを報告。指針について「救急医療における『終末期』の状態が定義され、延命治療の中止方法も示されている」と評価した。
大田医師は延命治療の中止を公表したことについて「終末期医療における何らかの手掛かりになればと思う」と話した。