三笠フーズ(大阪市)による汚染米不正転売事件で、大阪、福岡、熊本の3府県警合同捜査本部は26日までに、農薬メタミドホスに汚染されたコメを山形県の食品製造会社に食用として販売したとして、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで社長冬木三男容疑者(73)ら3人を近く再逮捕する方針を固めた。
3人は冬木社長のほか、元社長秘書古谷幸作(59)、同社関連会社「辰之巳」の元営業課長宮崎雄三(49)の両容疑者。いずれも、九州の酒造会社に農薬アセタミプリド汚染米を食用として販売した疑いで逮捕されており、拘置期限の3月2日にも再逮捕する。
調べでは、3人は2007年11月から08年2月にかけ、メタミドホスに汚染された中国産米を正規のコメに混ぜ、計約130トンを食用と偽って食品製造会社に販売した疑いが持たれている。
関係者によると、同社への営業は宮崎容疑者が担当。冬木容疑者は偽装を黙認していたという。古谷容疑者は取材に対し「利益が出にくいから何割か(汚染米を)混ぜた」と証言していた。
捜査本部は、三笠フーズが転売で利ざやを得た疑いもあるとみて、詐欺容疑での立件も視野に捜査している。