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2009年02月26日(木) 06時02分

また手動式エレベーター!またかごなし転落死スポーツ報知

 兵庫県姫路市の食品工場2階で25日午後1時ごろ、荷物用エレベーターの扉が開いたところ、かごがない状態で、パート従業員の竹内久代さん(57)が転落し、頭などを強く打って死亡した。工場のエレベーターは手動式で、今月16日に東京・新宿のビルで、同様のタイプのエレベーターによる転落死亡事故が起こったばかりだった。

 またも手動式エレベーターによる悲劇が起こった。「オガワ食品協業組合」の工場2階で、エレベーターの扉が開いたままなのを男性従業員(28)が見つけた。

 不審に思い、近づくと、竹内さんがエレベーター内に転落して「痛い、痛い」とうめきながら頭から血を流しているのを発見し、通報した。エレベーターのかごは1階と2階の間に止まったままだった。同工場は1階部分の高さが約8メートルもあり、竹内さんは約4メートル下に落ちたとみられる。

 竹内さんはかごの側面と周囲の柱の間に挟まれて、宙づりの状態だった。姫路署によると、発見された際には右後頭部を強く打っており、左ひざ下から切断されていた。

 竹内さんは10年以上前から同社で働いており、勤務態度はまじめ。アイスクリームのコーンの選別や検品、箱詰めを担当していた。2階の扉近くには竹内さんが運ぼうとしていたとみられるコーン入りの段ボール箱約20個が残され、かごの天井にも3箱ほど散乱。竹内さんが荷積みの作業中に誤って転落し、事故にあった可能性がある。

 姫路市消防局によると、3階建ての同工場のエレベーターの扉は手動で開閉するタイプで、かごが来ないと開かない仕組み。荷物の昇降に利用しており、人が乗ることは禁じられていたが、荷物の出し入れの際には中に入ることがあったという。姫路署では業務上過失致死の疑いもあるとみて事故原因を調べている。

 同社によると、エレベーターは工場を建てた1993年に設置。昨年以降、階の途中で止まることが何度かあったが、その都度修理しており、最近では昨年9月に業者が点検。検査資格者による年1回以上の法定検査はクリアしていた。全国にエレベーターは約63万基あるが、手動式はきわめてまれという。

 手動式のエレベーターでは、16日にも同じような事故が起こったばかり。東京・新宿区のビル1階で、そば店の男性(74)がエレベーターに乗ろうとした際、かごがなく約5メートル転落して死亡した。今回の事故のエレベーターとはメーカーが異なる。

(2009年2月26日06時02分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090226-OHT1T00058.htm