25日午前8時10分ごろ、北九州市小倉北区の動物園「到津(いとうづ)の森公園」で、プレーリードッグの獣舎の窓ガラスが割られ、5匹がいなくなっているのを飼育員が見つけ、近くの交番に届けた。小倉北署が窃盗事件として調べている。プレーリードッグは入手が困難で、ペットショップなどでは1匹10万〜50万円で取引されており、同園でも人気の動物だという。
「到津の森公園」によると、25日朝、プレーリードッグの獣舎近くを通りかかった飼育員が、施錠されているはずの木の扉が開いていることに気が付いた。飼育員はプレーリードッグ担当ではなかったが、異変を感じて獣舎の中へ。すると、動物園に隣接する公園に面した側の厚さ5ミリほどの窓ガラス1枚が粉々に割れ、9匹いるはずのプレーリードッグが4匹しかいなかったという。
24日午後5時ごろには、職員が異常がないことを確認しており、5匹は25日早朝にかけて盗まれたとみられている。4匹はパイプの中に避難したり、別室にいるなどして無事だった。
盗まれたのは雄1匹、雌4匹。上野動物園から2003年6月にやってきた雌のチョビンに加え、札幌・円山動物園出身の雄・マル(3)、その妻・ミラ(4)、昨年3月に生まれたばかりの娘・ミライとミクリの一家だった。妻と娘はいずれも到津の森公園で生まれた“生え抜き”だった。
ミラは妊娠中とみられていて、最近は金網で仕切られた別室で寝ていた。発見時、この金網がこじ開けられたようになっていたという。
同園は一般客が出入りするゲートのほかは塀で囲まれているが、小倉北署によると「高さが低く、飛び越えようとすればできる作り」。同署では5匹の行方を捜すとともに、犯人がどこから侵入したかなどを調べている。
同園では「動物が盗まれるなんて初めてです」と困惑。この日はプレーリードッグの、一般への公開は控えた。プレーリードッグは03年に輸入がストップしたため「入手が困難で、ペットブームもあり、人気が上がっているようだ」という。通常は10〜20万円ほどと推測されるが、高いものなら1匹約50万円で、ペットショップで取引される場合もあるという。
犯人が転売目的で盗んだのか、単にかわいいから欲しくなったのかは不明だが、同園ではマル一家とチョビンの身を案じている。
(2009年2月26日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090226-OHT1T00056.htm