広島ガス(広島市南区)は25日、2009年度半ばまでに、都市ガスから取り出した水素で発電する家庭用燃料電池の販売を始める方針を明らかにした。電力会社がオール電化攻勢をかける中、エネルギー効率が高い燃料電池の普及で、都市ガス販売の拡大を目指す。
広ガスが販売する家庭用燃料電池は、液化天然ガス(LNG)を原料にした都市ガスを改質して水素を取り出した後、空気中の酸素と化学反応させて電気をつくるタイプ。高さ1メートル弱の燃料電池と、湯をためる2メートル弱のタンクで構成し、家庭の都市ガスの配管につないで設置する。
出力1キロワット級で標準世帯の消費電力の約6割を賄え、発生する熱は給湯用に使う。例えば電気は火力発電所から供給し、熱は都市ガスの給湯を使った場合に比べ、エネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)の排出量を約3、4割減らせるという。
【写真説明】広島ガスが社員の自宅で実証試験を続ける家庭用燃料電池