大竹市の阿多田島周辺で天然のメバルの稚魚がウミウやカワウに相次いで捕食され、地元の阿多田島漁協が漁への影響を懸念している。駆除要請を受けた市は25日、現地を調査。大竹猟友会などと対策を検討する。
同漁協によると、今冬は例年よりウの飛来が多く、昨年12月から群れを確認。最も目撃が多かった1月後半は、約300羽が島の周辺にいたという。体長10センチに満たないメバルの稚魚を主に捕食。今月上旬には1羽のウが漁船に衝突し、10匹の稚魚をはき出した場面も目撃された。
この日は、市職員や猟友会などの5人が島の沿岸を漁船で1周。30分間で約80羽を確認した。大半がウミウで、島内での集団営巣の可能性はないとみられる。
同漁協は約30人が刺し網でメバルを水揚げし、売り上げは年間約3000万円に上る。漁獲への影響が拡大することを懸念し、市に対策を求めていた。
【写真説明】阿多田島近くの岩礁で羽を休めるウミウとカワウ(25日、大竹市沖)