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2009年02月26日(木) 10時01分

135年続いた日掛け貯金が幕中国新聞

 廿日市市宮島町の商店街の住民が明治初期から135年間、元日を除いて1日も欠かすことなく続けてきた「日掛け貯金」の歴史が28日を最後に幕を閉じる。当番が毎日回って集めた積立金を税金の一括納付や祭り費用に充ててきた「住民の結束の証し」。一括納付による報奨金が廃止されるなどしたため役目を終える。

 日掛けを続けてきたのは商店街の一角にある北之町浜。宮島は広島藩から住民に扶持(ふち)が与えられていたが、明治になって廃藩置県で廃止された。逆に住民に課税されるようになったため、税金の支払いに備えて納税組合を結成。1873年から日掛けを続けてきたという。

 参加する30軒が順番で当番を務め、毎日、家ごとに違う金額を書いた日掛け板を携えて各家を回り集金。戦時中も一日も休まなかったという。

 時代とともに北之町浜で軒を並べる商店も変わり、組合に参加しない住民も増えてきた。さらに報奨金の制度が2005年度でなくなるなどしたため、廃止を決めた。

【写真説明】日掛け板を携えて集金に回る菓子店経営の木村力さん(左)。28日を最後に伝統は幕を閉じる

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902260020.html