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2009年02月25日(水) 01時47分

日米首脳会談、経済対策での連携で一致読売新聞

日米首脳会談に臨むオバマ大統領と麻生首相(24日午前10時35分、ワシントンのホワイトハウスで)=小林武仁撮影

 【ワシントン=松永宏朗】麻生首相とオバマ米大統領の初の会談が24日午前(日本時間25日未明)、ホワイトハウスで開かれた。

 両首脳は、日米同盟を2国間にとどまらずグローバルな課題にも対応する「重層的な同盟関係」と位置づけるとともに、世界的な金融・経済危機に日米が連携して対処することで一致する見通しだ。

 麻生首相は、オバマ大統領が就任後初めて米国に招いた外国首脳となった。さきにクリントン米国務長官が初外遊先に日本を選んだこともあわせ、日本政府は米政府の対日重視の表れと歓迎している。

 会談の冒頭、大統領は「麻生首相が大統領執務室に私を訪ねる最初の外国の賓客だ。日米の強固なパートナーシップの証明だ。日米同盟は東アジアにおける安全保障の礎石で、私の政権として強化したい。日本は偉大なパートナーだ」と述べた。首相は「数多くの課題がある。我々は世界第1位、第2位の経済大国だ。手を携えて協力して取り組まねばならない」と応じた。

 会談では、日米が景気対策に全力で取り組み国内経済を立て直すことによって世界経済をけん引する重要性を確認する。日米両国が保護貿易主義の流れに反対する方針で一致するほか、国際金融システムの安定や途上国支援で協調することで合意。首相は、経済に関する日米の新たな対話の枠組み作りを提案する考えだ。

 首相はこのほか、大統領が環境分野に重点投資する「グリーン・ニューディール」政策を掲げていることを踏まえ、環境関連の技術開発での協力を提案する。カリフォルニア州などの高速鉄道計画に日本の新幹線技術の採用も働きかける。

 重層的な同盟関係は、安全保障面だけでなく、経済や環境など地球的な課題にも日米が一致して取り組む姿勢を示すものだ。

 北朝鮮問題で両首脳は、拉致、核、ミサイルなどの包括的解決を目指すとともに、6か国協議の継続を確認する。首相は日本人拉致問題の解決に向け引き続き米政府の協力を要請する。

 首相は、「テロとの戦い」に直面するアフガニスタン、パキスタンへの民生支援の継続を伝える方針だ。アフガニスタンに関して首相は、8万人の警察官の半年分の給与を提供するなどの日本の貢献策を説明する。今後のアフガン支援策を日米が共同で立案することも提案する。パキスタン支援の閣僚級国際会議を日本で開く考えも伝える。

 両首脳は、2013年以降の温室効果ガス削減の国際的枠組み「ポスト京都議定書」作りに向けた協力で合意する。特に、最大級のガス排出国である中国の協力を求める考えで一致する。

 大統領は就任後、カナダのハーパー首相と会談しており、首脳会談は麻生首相が2人目となる。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090225-OYT1T00092.htm