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2009年02月25日(水) 01時16分

高杉良さんの請求棄却、日経株の譲渡認められず読売新聞

 「金融腐蝕列島」などの作品で知られる作家高杉良さんらが、「日本経済新聞社の元社員から同社株の譲渡を受けた」として、同社などを相手取り、株主であることの確認などを求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。

 矢尾和子裁判長は「日経新聞は日刊新聞法に基づいて株の譲渡先を自社の事業関係者に限定しているが、原告は事業関係者ではない」と述べ、高杉さんの請求を棄却した。

 判決によると、高杉さんは2006年7月、元社員から、同社株1000株を1株7360円で買う契約を結び、同社に承認を求めたが認められなかった。

 日経新聞社には、「株主が日経株式を売却する場合は、社員株主で作る『日本経済新聞共栄会』が1株100円で買い戻す」というルールがあり、最高裁は今月17日、このルールについて「合理性があり、有効」とする判断を示している。

 一方、同社がこの問題を受けて取締役会で元社員の社友資格を取り消す決議を行ったことについては、判決は「日経新聞の信用を失墜したとまでは言えない」と述べてこの決議を無効としたうえ、元社員が株主であると認めた。日経側は共栄会が、元社員が持っていた全株式(5590株)を譲り受けたと主張した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090225-OYT1T00097.htm