奈良県天川村の汚職事件で起訴された前村長車谷重高被告(51)に捜査情報を漏らしたとして、同県警は24日、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで、県警捜査2課の警部石山智(51)=奈良県田原本町=と組織犯罪対策1課の警部補大沢成光(53)=奈良県橿原市=の両容疑者を逮捕した。
県警によると、石山容疑者は「事実無根で誤認逮捕です」と否認。大沢容疑者は「捜査情報の一部を前村長に教えたが、事情聴取の月日など具体的に教えた覚えはない」と供述している。2人は1976年の同期採用で仲が良かったという。
捜査2課は汚職など知能犯罪、組織犯罪対策1課は銃器や薬物の捜査を担当。大沢容疑者は天川村の事件捜査に加わっておらず、石山容疑者に捜査情報を尋ね、車谷被告に伝えたとみられる。県警は、大沢容疑者と車谷被告が以前からの知り合いだったとみている。
調べでは、両容疑者は昨年12月に車谷被告らが捜査2課に逮捕された事件をめぐり、同年11月15日ごろ、車谷被告らが捜査対象となっていることや同月29日に事情聴取の予定が入っていることなどを、車谷被告らに教えた疑い。ただ、29日には捜査側の理由で聴取はされなかった。