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2009年02月25日(水) 23時33分

南極温暖化が拡大 海面上昇加速もとWMO東京新聞

 【ジュネーブ25日共同】世界気象機関(WMO)は25日、南極地方の温暖化の範囲がこれまで考えられていた以上に拡大し、地球の海面上昇もさらに加速する恐れがあるなどとする、両極地方の気象・環境状況に関する報告書を発表した。

 報告書は南極とグリーンランドの氷床が地球温暖化のため大きく縮小しており、今後も加速する可能性があると指摘。その結果、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測している「今世紀末までに18−59センチ」という海面上昇の幅がさらに拡大する恐れがあるとした。

 報告書作成に参加した科学者らは同日の記者会見で、今世紀末の海面上昇が最高で80センチに達する可能性もあると指摘。科学者らによると、南極のうち特に温暖化が激しいとみられている南極半島だけでなく、隣接する南極西部一帯の温暖化もハイスピードで進んでいるもよう。

 報告書はWMOと国際科学会議が2007年3月から2年間にわたるプロジェクトとして実施した「国際極年」に伴う北極や南極に関する観測・研究の結果を予備的にまとめたもの。詳細な分析結果は10年4月にまとまる予定。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022501001216.html